2026年11月5日
2026年10月、様々な企業や団体からサイバー攻撃被害の公表が相次ぎました。自身の個人情報が漏えいしてしまい、不安に思われている方も多くいらっしゃるかと思います。
直接的な被害を受けたのは企業であっても、漏えいした情報が悪用されることで、自らが新たなサイバー攻撃の標的となる恐れがあります。
本記事では、個人情報が漏えいしてしまった場合に実施すべき対策について解説します。
企業への攻撃によって漏えいした情報は、攻撃者の間で流通し、攻撃メールや不正ログインなどのサイバー攻撃に悪用される恐れがあります。
さらに現在は、攻撃者は生成AIやAIエージェントを利用して、攻撃対象の分析や情報収集、攻撃メールの作成等を効率化していると考えられています。そのため、より高度ななりすましや攻撃の増加に警戒が必要です。
攻撃者は、漏えいしたメールアドレスに、様々な攻撃メールを送り、ウイルスに感染させようとしたり(ウイルスメール)、IDとパスワードを盗もうとします(フィッシング攻撃)。
メール受信者をだましてリンクをクリックさせたりファイルをダウンロードさせたりする必要があるため、攻撃者は、ECサイト、配送会社、金融機関、政府機関等、様々な組織になりすました攻撃メールを送ります。
かつての攻撃メールは日本語に不自然な点があり、見分けることが比較的容易でしたが、昨今はそのようなことはありません。メールの送信元表示やリンク先の偽サイトも偽装が容易なため、攻撃であると見分けることが非常に困難です。
特にWebサービス等からメールアドレスが漏えいした場合、漏えい元のサービスになりすました偽メールを送る攻撃が予想されます。騙されるリスクがより高くなると言えます。
さらに今後、AIエージェントの発展により、複数のサービスから漏えいした情報を分析し、受信者ごとにカスタマイズした攻撃メールを作成するといったことがより容易になる可能性も指摘されています。
メール受信者をだまして、メールのリンクをクリックさせる、ファイルをダウンロードさせる等して、ウイルス(マルウェア)に感染させようとする攻撃です。
近年は、ブラウザに保存されたパスワードやCookieなどを窃取する「インフォスティーラー」と呼ばれる情報窃取型マルウェアによる被害が世界的に増加しています。
もしもブラウザにビジネスで利用するパスワードも保存していてインフォスティーラーに感染してしまった場合、ビジネス上の情報の漏えいにもつながります。
Webサービス等になりすましたメールを送り、受信者をだまして偽のサイトに誘導し、ID、パスワード、クレジットカード番号等を入力させ、盗み取るという攻撃です。
攻撃者が偽メールや偽サイトといった仕掛けでユーザを騙し、重要な情報をだまし取る様が釣りを連想させることから、この名がついたとされています。
盗まれた情報は攻撃者によって悪用されます。例えばIDやパスワードが盗まれた場合、攻撃者に不正ログインされる恐れがあります。

すでに漏えいしたパスワードのリストを入手して、他のWEBサイト・サービス等にログインしようとする、リスト型攻撃を呼ばれる手口があります。
攻撃者の間では漏えいしたパスワード等の認証情報が売買され、流通していることが確認されています。直近の漏えい事案の多さを鑑みると、非常に多くの認証情報が流通していると推測されます。
パスワードを使い回していると、他のサービスに不正にログインされる恐れが高いと言えます。

カード情報が漏えいした場合、不正な決済に悪用される恐れがあります。
氏名、住所、電話番号などが悪用され、各種サービスの不正契約等に悪用される恐れがあります。
個人情報が漏えいした場合、攻撃者に悪用され、上記のような攻撃が発生する恐れがあります。そのため、以下のような対策が推奨されます。
企業等から情報漏えいに関する通知を受けた場合は、無視せずに内容を確認することが重要です。漏えいした情報によって取るべき対策が変わります。
例えば、メールアドレス、住所、電話番号等が漏えいした場合は詐欺等の発生に警戒する必要があります。パスワードが漏えいした場合は、速やかな変更、使い回しの中止、多要素認証等の利用が求められます。
クレジットカード情報や本人確認書類の漏えいが確認された場合は、カード会社等への連絡も必要になります。
情報漏えい事故の後には、その情報を利用したフィッシング攻撃が増加する恐れがあります。漏えい元のサービス名を騙った攻撃メールが送られてくる可能性が想定されます。
昨今の攻撃メールは偽物と見破ることが困難です。そのため普段利用するサービスはブックマークしておく、アプリをインストールしておく等して、そちらからアクセスすることが対策となります。
直近の漏えい事故で大量に漏えいしたパスワードが、他のサービスへの不正ログインのために悪用される恐れがあります。そのため、パスワードの使い回しは止めるべきです。
特にビジネス利用しているサービス等は不正ログインされた場合にリスクが高くなるため、漏えいしたパスワードと同じパスワードを使っていないか、注意が必要です。
攻撃者はパスワードを破るために様々な攻撃を行います。そもそもパスワードだけの認証はリスクが高いと言えます。多要素認証やパスキーの利用を推奨します。
多要素認証(MFA)やパスキーの利用ができない場合、パスワード弱さがリスクに直結すると言えます。
15文字以上等、多くの文字数の利用する、全ての文字の種類(大文字、小文字、数字、記号)を使う、予想しずらい文字列にする、個人情報と関連する文字列は利用しないといった対応が必要です。
クレジットカード番号の漏えいが発覚した場合、不正利用の恐れがあるため、速やかにカード会社に連絡し、利用停止や再発行の相談をする必要があります。
また、身に覚えがない決済がないか、利用明細の小まめな確認も推奨します。
運転免許証等、本人確認書類となる画像が漏えいした場合、本人になりすまして様々な契約をされ、金銭的な被害等が発生する恐れがあります。
こうした場合では、信用情報機関へ漏えい等の事実を登録することがなりすましの抑止に役立ちます。以下の機関へのご相談を推奨します。
・日本信用情報機構(JICC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
様々な政府機関等が公的な相談窓口を解説しています。ご心配のある方はご相談されることを推奨いたします。
様々な窓口がありますが、首相官邸のWebサイトに窓口がまとめられていますので、ご参照の上、窓口を検討することが可能です。
・個人情報流出の被害に遭われた方・ご心配のある方(首相官邸)
本記事の内容は以上となります。
情報漏えい事案が多発する中、突然ご自身の情報が漏えいしたと聞かされ、不安な日々を過ごされている方も多いかと存じます。まずはできることから一つずつ、新たな被害を防ぐための対策を進めていただければと思います。
個人情報に関わる資格制度の運営や社員教育、認証付与など総合的ソリューションを提供し、個人情報保護の推進に貢献してまいります。